須賀川に住んでいる友人がカントリーロードの編集をしていたことで、横浜から投稿させていただきました。 今回は、私たちが毎日必ずお世話になっているトイレについて、話をさせていただきます。

最近ときどき耳にするトイレで「バイオトイレ」というのがあります。このシステムは生ゴミ処理機の原理を利用したもので、し尿をおが屑などと混ぜて攪拌しながら処理するものです。天然の微生物を利用している処理システムなのでこのように呼ばれています。 ところで、「気化トイレ」という新しいし尿処理システムがありますが、ご存知でしょうか。これも微生物の働きを利用したものですが、「バイオトイレ」とは少し違います。このトイレを説明させていただく前に、昨今のトイレ事情について少し触れさせていただきます。 

 まず、トイレは大きく2つに分かれます。 それは水洗式と汲み取り式です。

年々、下水道の普及で水洗式が増えてきていますが、地方の人口密度の少ないところや山沿いや海岸辺りなどでは、まだまだ下水道がありません。しかしながら最近では汲み取りにきてもらえない地域も出てきています。

そこで、汲み取り式のトイレに代わって登場したのが浄化槽です。浄化槽の処理方法も浄化槽内に自然に発生する微生物に家庭排水やし尿中の有機物を消化させるのでバイオ処理装置の1つのタイプということができますが、処理条件が自然任せということで決して微生物を有効に活用しているシステムとはいいがたいところがあります。・・・私は浄化槽管理士で、一昨年まで微生物に関連した会社で仕事をしていました。・・・

 一方、下水道を利用した水洗トイレシステムは、一度に10リットルほどの大量の水で、し尿を押し流すというものです。何故これほどの水を必要とするのか皆さんはご存知ですか。ウンチがけっして重いからではありません。これは各家庭から下水道の本管につないでいる配水管の傾斜が、非常に緩やか(1/5001/1000)なので、大量の水で押し流す必要があるためです。日本は雨が多く、水がふんだんにあるので、真夏のほんの一時期しか水の大切さを感じていませんが、この水洗トイレに使われている水もきれいにするために相当な時間と皆さんの税金を要しています。1年で1人がトイレに使う水の量は18,000リットルにもなります。これはお風呂の水で100杯分ぐらいに相当します。もったいないと思いませんか。下水に流れてしまった水と汚物はそれで終わりではなく、その後、さらに下水処理場で処理されなければいけません。

昨年まで日本の政府は下水道を全国の隅々にまで張り巡らすという計画で、全国の50%程度(人口当たり)まで普及してきましたが、毎年莫大な予算を必要とすることと、地方に行くに従い建設費と各家庭の自己負担が多くなりすぎることがわかり、今年から浄化槽の普及に方針を転換しました。ただし、浄化槽も浄化槽汚泥が発生するので、定期的に汚泥処理施設やし尿処理施設でその汚泥を再処理する必要があります。

前置きが長くなりましたが、「気化トイレ」というのは何が新しいかといいますと、体内から排出される微生物を最適な温度条件で培養させて、し尿中の養分を微生物(主に非病原性の大腸菌)に食べさせてしまい、水分は3045℃という低温で気化させるシステムです。汲み取りが全く必要なく、スラッジもほとんど残りません。微生物が消化できない一部の固形物は回収カゴに残りますが、これは有機肥料として利用できます。

 

第1層:微生物処理槽
体内から排出された微生物によって、し尿中の有機物を28〜30℃で消化するとともに、水分を気化する。

第2層:固形物回収層
微生物が消化できない一部の有機物を回収し肥料とする。酵素を使用し、さらに残渣を減らす。

 第3層:気化層
第1層で気化されなかった場合、残りの尿を40℃〜45℃で気化する。

 

  清掃は3年に1回、処理槽の底に付着した肥土を回収します。これも肥料としてリサイクルできます。また、このシステムは臭いがまったく発生しません。これは、処理槽内に大量の空気(酸素)をブロア―で送り込むことでメタンなどの悪臭物質が作られないためです。ゴミ処理式のタイプは、使い始めは確かに臭わないのですが、数ヶ月も使っていると匂いが出てきます。

また、この気化トイレは簡易水洗(軽水洗ともいう)280cc(約コップ1杯)の水で洗浄しますので、清潔で普通の水洗トイレに比べて1/301/40の水量で済みます。このトイレには2種類のタイプがあります。

一般家庭や長期の工事現場などで利用される固定式のものと、農業用や短期間の工事現場などに適したコンパクトな移動式トイレです。ただし、ヒーターとブロア―用に電気が必要です。現在、山などの電気のないところでも使えるように、風力発電とソーラー発電が一体となったハイブリッド発電機を備えたタイプを開発中です。なお、この気化トイレは株式会社山田工業(西宮市)によって開発されたもので、国内外で特許が取得されています。

 

横浜市 サービステック ジャパン コーポレーション

佐藤 整(浄化槽管理士)TEL:045-565-0214FAX0207